24歳で脱サラしてタクシー運転手になった話20 ルーティンワーク3

銀座での狙いは、もちろん遠距離のお客さん。

最低でも1回で1万円以上。
ワンチャン2万円〜3万円あれば最高。

みたいな腹づもり。

 

もちろん遠ければそれだけ時間もかかりますので、近距離客のように回数で稼ぐことは不可能。

しかも乗せるまでも長い時間をかけて待機しているわけですから。

無線が鳴った瞬間

 

『デカいの来い!!』

 

と、タクシー神に祈りを捧げるのは当然なわけでございます。

 

まあもちろん、毎回そんなお客さんを”引ける”ことなどありえない話なのですが。

 

それでもやっぱり銀座は別格。

新宿よりも、渋谷よりも、六本木よりも、西麻布よりも。
圧倒的に遠距離のお客さんが多かった場所なのでございます(2000年代中頃の話)

 

20時台〜21時台は、飲み会で考えると一軒目が終わる時間帯ですので。

わりと年配のお客さんが多いわけです。

接待を受けて、お店にタクシー呼んでもらって、それに乗って帰る。というパターン。

 

もちろん支払いはタクシーチケットです。

あらかじめ接待した人が「これでお願いします」と、運転手に渡す感じ。

 

私はこの時間のお客さんが好きでした。

一軒目で帰るだけあって、年配の方が多く。
お酒の酔いもそれほど深くないので安心安全。

銀座の良さは遠距離客だけでなく、『客層が他と比べて格段に良い』というのもありましたけど。

それでもやっぱり、酔ってないに越したことはありません。

せっかく遠くまで行ってもトラブルだったり、”寝ちゃって全然起きない”みたいなことがあると大きなタイムロスに繋がりますのでね。

 

トラブルに関しては本当に色んなことがありましたけど。
慣れたらもう『時間』のことしか考えられなくなってました。

たまに面倒な絡み方をされたり、いちゃもん付けられたり、恫喝されたりしても。

もはや恐怖、慌てる、戸惑うといった感情はゼロ。

「もうそんなのいいから早く銀座に帰らせてくれ」としか考えていませんでした。

良くも悪くも不感症です。

まあ、この辺もまた別の機会に。
色々ありますので。

 

そんな感じで、千葉なり神奈川なり埼玉なりにお客さんを送ったら。

速攻で銀座に戻ります。

 

帰りの高速代は会社が負担してくれるのですが。
営業エリア内の高速料金は対象外(要は首都高)

例えば東名高速なら、東京インターまでが会社負担。

そこから先は首都高3号線になりますので、そこからは自腹を切らないといけないわけです。

 

 

師匠からの教えはこうでした。

 

「とにかく自腹を切って一直線に銀座へ戻れ」

 

用賀や高井戸で降りて、下道で銀座を目指すと大きなタイムロスになるわけです。

信号もあれば渋滞もある。
もしかしたら工事をやってるかもしれない。
そして何より、下道にはお客さんがいる。

銀座に戻る途中でお客さんを”拾ってしまう可能性”があるわけです。

 

『拾ってしまう』なんて嫌な書き方ですけど。
やめた今だから話せるってことで。

 

とにかく夜の銀座は遠距離客が望める場所。
それっぽく言うなら、超効率のいい仕事が出来るわけです。

しかも『深夜割増』の時間帯に入りますから、なおさら。

ただもちろん、お客さんが無限に湧いてくるわけではありません。
時間が深くなればなるほど、お客さんの数は減っていきますので。

下道でゆっくり戻りながら、別の仕事をしている場合では無いのです。

 

「首都高代の自腹くらい、遠距離客を一発つかまえれば取り戻せるだろ」ってことで。

賭場のテラ銭みたいなもんだと思いながら、必ず銀座までノンストップで戻ってました。

 

だから、そうですねぇ・・・

 

20時 横浜のお客さんを乗せる

22時過ぎ 銀座カムバック

22時半 千葉のお客さんを乗せる

25時 銀座カムバック

25時半 距離問わずにお客さんを乗せる

 

こんな感じが最高過ぎますね。

25時半の『距離問わず』というのは、この時間帯になって来るとお店終わりのホステスさんも多かったですので。

「もうそれほど遠距離客を見込める時間ではない」と思いながらやってました。

来たらラッキーくらいに。

 

もちろん、毎回そう上手く行くもんではないのですが。

でも、わりとある。
それが銀座。

 

これで1日の売り上げが6〜7万くらいになっていれば合格っていう意識でやってました。

 

ていうか・・・

 

20時以降、3回しかお客さん乗せてなくね?

 

そうなんです。
でも乗車回数のわりには売り上げはある。
そんな仕事が好きなのです。

 

私が新人の頃。
とにかく乗せに乗せまくって。
1日に52組のお客さんを乗せました。
そして初めて売り上げが6万円になったのです。

「1日に6万円やれば手取り30万を超える」と師匠に言われ、それを目標にやってましたので。

嬉しかったですねー。

 

で、その営業日報を「やりましたよ!」なんて感じで師匠に見せつけたところ。

 

 

「下手くそだなぁ。乗せ過ぎだよ。こんなに仕事したら疲れるだろ」

 

「ええぇぇぇ〜〜〜、うそぉぉぉ〜〜〜」

 

師匠は営業所でも常に売り上げはトップクラス。
でもそのわりには、乗車回数はとにかく少ないという人でしたので。

私もそのプレイスタイルに影響を受けまくったというわけでございます。

その辺もまた別の機会に詳しく。

 

 

私は7:00〜翌朝4:00までの乗務でしたが、大体3:00前には帰庫して締めの業務をやってました。

 

「あれ!?もう終わり?早くない??」

 

「ええ、もう眠いので」

 

誰よりも遅れてきて、誰よりも早く上がる。

私のモットーは『売り上げよりも自由な時間』でしたのでね。

 

そして疾風のように帰って、缶チューハイ飲んで寝るという生活でした。

 

こうすると午前中には起きられますのでね。

その後は夜まで長い長い自由時間。

明け番という名の休みを満喫してました。

 

一日おきに休みが来る感覚。

これが欲しくてタクシー運転手になったようなものですからね。

 

 

こんな感じですかねー。

久しぶりに思い出してみて、我ながら「優雅な仕事だなぁ」なんて思っちゃいました。

 

終電まで仕事をしていたサラリーマン生活から逃げ出す際に決めたんですよね。

「お金よりも時間に不自由しない人生を送ろう」って。

まさにそれを体現していたかのような仕事ぶりでした。

 

めでたしめでたし。

 

注:この話は2000年代中頃のことですので、現在とは状況が違ってる場合もあるかと思われます。

 

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