「声が出せなくても、お客さんに好印象を与えることって出来るの?」
「もちろん!声が出せない状況ってわりとあるからね。これは早いうちに身に付けよう!」
このサイト内の、接客業で「いらっしゃいませ」が言えない?声を出さない方が逆に目立ちますよ!という記事におきまして。
声を出さない店員さんは態度が悪いと思われる。ということを書きました。
では、こんな時はどうしましょう?
「今は他のお客さんと喋ってる途中だから返事が出来ない!」
「店内が騒がしすぎて、あんなに遠くのお客さんに声が届くわけがない!」
「どうしよう!風邪を引いてしまって、声が全然出ない!」
声を出せない状況。
さあ、どう切り抜けますか??
声を出さない接客
私がタクシー運転手の研修所で聞いた話。
とある運転手さんは、とにかく苦情のハガキをたくさん貰ってました。
その苦情の内容の全てが「返事がない」「挨拶がない」「無愛想」といった類のもの。
全部まとめると「声が出ていない」って事です。
普通なら事務所のお偉いさんに「今度から気をつけろバカヤロー!」と怒られて終わるところですが。
その運転手さんの度重なる苦情問題については、事務所の皆が頭を悩ませました。
そうです。
その運転手さんは、声を失っていたのです。
声を出さないではなく、出せない。
とはいえ、お客さんには関係ありませんから。とにかく不快感を与えない出来る限りの接客を、と事務所と運転手さんが一丸となって、ある練習を重ねました。
すると、運転手さんの努力が実ったのか。
とあるタイミングからぴったりと苦情は無くなり。
逆にお褒めの言葉が書かれたハガキが届くようになったのだそうです。
めでたしめでたし。
いかんせんこの話を聞いたのが15年前なので、多少盛ってる感はあるかもですが。言いたいことは合ってます。
さあ、この運転手さんは何を練習して、どう苦情を無くしたのでしょうか??
これ別に、トンチでもなぞなぞでも無いですからね。
答えは、、、
笑顔と会釈でしたー。
ふつーー!!!
そうなんです。答え的には「それしかない!」というくらい普通の答えなのですが。
だからこそ、深いのです。
接客は相手に伝わってこそ
まずそもそも「その運転手は最初から会釈もしてなかったのかよ!?」って事ですよね。
これは恐らく、していたのです。
運転手さんは笑顔で会釈をしていた『つもり』。
声が出ないという事は自分が一番よく分かってますので、自分なりに出来ることで接客をしていたのです。
でも、それがお客さんには伝わっていなかった。
伝わっていなかったら、やっていないのと一緒です。
お客さんからすれば「なんでこの人は返事もしてくれないのだろう?」と。
なので、その笑顔と会釈を『伝わるように』改良したというわけなのです。
単純に、大袈裟にやるようにした。
オーバーアクションというやつですね。
返事と挨拶というのは人と人とのコミュニケーションの基本です。接客業として、これが出来ないのは話になりません。
だから声が出なかろうが遠くにいようが。その意思は何が何でも相手に伝えなければならないのです。
声が使えない時に有効な仕草 3選
というわけで、あとは『使える仕草』を説明して終わることにします。
会釈
【範囲】近距離向け
【効果】返事、いらっしゃいませ、ありがとうございました、今行きます、少々お待ち下さい
【使い勝手】距離が近ければ近いほど有効。中〜遠距離向けアクションとの合わせ技でも使用可。
【注意】口角を上げまくった笑顔で、ゆっくり大きく首を斜めに倒すこと。会釈のみでは距離によって気付いてもらえないこともあるので要注意。
口パク
【範囲】中〜遠距離
【効果】返事、今行きます、少々お待ちください
【使い勝手】かなり賑やかな宴会中などの騒がしい場所にて、ある程度離れた距離のお客さんに対して効果を発揮。
【注意】笑顔で目線を合わせることが大前提。目線が合わずに口パクしても、それは気付いてもらえないどころか意味不明。
挙手
【範囲】遠距離〜エリア外(厨房、店外
【効果】返事、今行きます、少々お待ちください
【使い勝手】便利。とにかく便利。体力消耗も少なく遠くまで届く頼れる長距離砲。
【注意】便利な反面、あげ方を間違えると偉そうに見えてしまう可能性大。程よく控えめな「お待たせしてすみません感」を出せるような角度を手に入れてから使うのがオススメ。
もちろんこれらを良しとしない職場もありますからね。
このサイトは基本的に『個人経営飲食店』をイメージして書いてますので。
マニュアル等で禁止されてたりするものは決してやらないで下さいませ。
というわけで。声が無くともお客さんに伝えて、なおかつ好印象を与えることは可能ですので。
自分なりに編み出してみましょうね。