3000文字チャレンジ

『ときめきメモリアルと、リア充大学生』3000文字チャレンジ第4弾

90年代中頃『ときめきメモリアル』というゲームが発売されました。

“恋愛シミュレーションゲーム”というジャンルが、日本の家庭用ゲーム機において全然浸透していなかった時代にも関わらずの大ヒット。

 

もちろん私の耳にも届きます。

「恋愛ゲーム?なんだそりゃ?でも楽しそう。遊んでみたい」

とは言え私は、対応しているゲーム機を持っていなかったため諦めました。

さすがにそのソフト1本のために本体を買うほど余裕はなかったですからね。

 

 

しかし、ある日。

突然その願いが叶います。

 

私「あのさあ、ときめきメモリアルって知ってる?なんか恋愛のゲームみたいなんだけど、めちゃくちゃ気になるんだよね。やってみたい」

ゲーム仲間「ああ、ときメモ?おれ、持ってるよ。本体ごと貸そうか?」

私「え??なんで持ってんだよ!早く言ってよ!そして貸してよ!!」

 

というわけで、本体ごと借りました。

 

 

ヤバいな。。。

なんかドキドキする。。。

 

 

とりあえずソフトは『エロ本置き場』にしまいました。

当時は実家暮らし。

ヒロインの藤崎詩織ちゃんがバッチリと描かれたパッケージなど、エロ本以上に誰にも見られるわけにはいかないのです。

全くやましいものでも無いのですが、なんとなくそんな気がしてました。

 

早く夜にならないかな。

全員寝静まらないかな。

 

まるで初めてエロビデオを借りてきた時のような気持ち。中2を思い出す。

 

 

そして深夜。

周りが寝静まったことを確認し、ゲーム機にソフトを入れ、イヤホンを挿し、電源を入れて、いよいよスタートです。

このゲームはキャラクターが喋りますので。
イヤホンは必須なのです。

 

 

 

と、こんな感じで私はゲームが大好き。

ホンモノの方々に比べたら軽いものでしょうが、一般的に見たら十分なゲーマーなのでございます。これは今も変わりません。

 

しかし、この頃の私。

もう一つの顔を持っておりました。

 

 

 

 

『無名大学のテニスサークルの会長』という、リア充という言葉では足りないくらいの立場でして。

まあとにかく遊び倒してましたね。

 

さらには『バイト先』にも恵まれて、圧倒的に女子の数が多いハーレム環境。

私はそこでも天性のカリスマ性と類稀なる人心掌握術でメンバーを一つにまとめ上げ、とにかくみんなでキャピキャピした飲み会ばかりやってました。

 

本当に本当に楽しかったです。
確実にここが青春時代のピークです。

 

 

 

 

 

『ときメモ』には10人のキャラクターが登場します。

元気で活発な子、読書好きの物静かな子、高飛車なお姉様、楽しいこと好きのギャル、白衣の似合う理系女子、などなど。

個性豊かな登場キャラクターの中から『落としたい』女の子を選んで。

3年間の高校生活を通じて、狙いの子のハートを奪いにかかるのですね。

そして卒業式の日に『伝説の樹』と呼ばれる木の下で告白されればハッピーエンド。

というゲームなのですな。

 

 

この告白シーンがね。

ちょっともう、たまらないわけですよ。

 

美麗なグラフィックで女の子の顔がアップになりまして。ちょっと頬が赤らんだりしてね。

そんで言葉を選びながら、たどたどしく恋心を伝えてくれるわけですよ。

 

ほら、冒頭で「このゲームはキャラクターが喋る」って言いましたよね。

だからイヤホンを通じて、それはそれは直視出来ないくらい照れくさいセリフを私の脳に流し込んでくれるんです。

 

これがもう本当にヤバくて。

あまりの萌えっぷりに、体をクネクネさせながらニヤニヤしてるわけですよ。真夜中、電気を消した真っ暗な部屋の中で身長181cmの巨体を揺らしながら。

 

そして、とどめのセリフ。

 

 

「あなたが・・・好きです」

 

 

 

 

ハーーーーーーーイ!!!

俺も!!!
俺も好きーーー!!!

いや!!!

 

 

ぼくも、だいしゅきいぃぃぃ〜〜〜!!!

 

 

 

 

 

 

私の所属していたテニスサークルというのはですね。それほど巨大なものでも無いのですが、比較的歴史のあるサークルで。

精鋭揃いと言いますか。
本当に男女先輩後輩同級生、みんながみんな”いい奴”ばかりでしてね。『類は友を呼ぶ』なんてよく言ったもんだなぁって思ってました。

 

サークル内の人間関係でギスギスすることもなく、会長をやっていた時もその辺りで頭を悩ませた事は無かったですね。

 

ただ一つ問題が。

 

 

サークル内恋愛、エゲツない問題。

 

 

そのサークルはもちろんAKB48グループではありませんので、恋愛は自由です。

 

それでも、それでもなんですよ。

 

「お前ら、、、もうちょい外を向け」と。

 

あまりいい表現ではありませんけど。

「何人兄弟だお前ら?てか年上の方が次男なのな!」

みたいなの”だらけ”でしたからね、本当に。

 

一度ゴシップ好きのメンバーでファミレスに集まって、サークル内恋愛相関図を書いてみたのですが。

 

もう、ぐちゃぐちゃ。

 

白い紙ナプキンが、ただの黒い紙になってしまったくらい真っ黒でした。

 

本当にどうしようもねえ。

でもそれが可能なくらいの、いい雰囲気。別れた後の気まずさも無く、みんなで仲良くしていられるようなサークルでした。

 

するとある日。仲の良い後輩女子とご飯を食べていると、

 

「こぼりさん。英語の同じクラスの子から言われたんですけど、あたしたち完全にヤリサーだと思われてますよ」

 

という話を後輩から聞かされました。

 

 

もうね。

 

 

バカかと。

 

ため息しか出ませんよ。

 

じゃあ俺はヤリサーを束ねてる会長なのか?と。スーフリ的な?

 

でもまあ、、、そうなのかな。

いや、絶対違うわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

藤崎詩織ちゃんの攻略には本当に苦労しました。

主人公の幼馴染み、才色兼備、学校中のアイドル。

という、まるで『タッチ』の浅倉南を彷彿とさせるパーフェクト超人。

そんな詩織ちゃんから告られるためには、釣り合うくらい素敵な男にならないといけないのです。

 

恋愛シミュレーションゲームなので、女の子キャラとデートもするのですが。

それだけじゃない。

勉強したり、運動したり、容姿を磨いたり。地道な努力で主人公のパラメーターを上げていかないといけないのです。

 

ましてや相手が、詩織ちゃん。

これが浅倉南なら野球部に入って豪速球でも投げていれば落とせそうなものですが、ときメモにそんな要素は無いですから。

コツコツと完璧な男に育てていく必要があるというわけなのですね。
これがめちゃくちゃ難しくて苦労しましたー。

 

本当に何度やっても、詩織ちゃんからの告白を受けることが出来なかったんです。

 

今度こそ!と思っても、全然違う子。

そうすると、また最初からやり直し。

パッとしない主人公を高校1年春から育てなければならないのです。

 

 

そして挑み続けること28万回目。

 

ついに。

「これは行ける!何もかもいい感じだ!」

と、詩織ちゃん攻略に手応えを感じながら迎えたゲーム終盤、高校3年生の冬。

 

毎年恒例のクリスマスパーティーに出かけます。

お金持ちの同級生の家で行われるパーティー。

まあね。
パーティーとはいえ、形式的なイベントですから。

「はいはい。もう見飽きましたよー」

なんて感じでボタンを連打していたのですが。

 

この日は、ちょっとした展開が。

 

 

 

 

藤崎「あ、たっちゃん。」

 

たつや「あれ?詩織?どうしたの?」

 

藤崎「よかったら・・・一緒に帰らない?」

 

たつや「うん、送って行くよ」

 

 

 

あ、これゲーム内のセリフですからね。
妄想じゃないっす。

藤崎は藤崎詩織ちゃん。
たつやは私が名付けた主人公。

たっちゃんと呼ばれてるのは、一定以上の仲になるとあだ名で呼んでくれるからです。

 

あだ名は、たっちゃん。
自分で決めました。

 

 

では、続きを。

 

 

 

 

藤崎「パーティー、楽しかったね。」

 

たつや「うん。」

 

藤崎「そういえば、前はいつも一緒にクリスマスパーティーやってたよね。」

 

たつや「そうだね。いつから別々になったのかな。」

 

藤崎「覚えてないの?小学生のとき、勝手に友達とクリスマスパーティーしちゃったの誰だっけ?」

 

たつや「・・・俺か?」

 

 

 

藤崎「エヘヘ。わ ・ た ・ し 。」

 

たつや「こら!」

 

リアルたつや「こら!!」

 

藤崎「きゃあ、ごめん!ごめんなさい。」

 

たつや「人をからかって・・・。」

 

リアルたつや「まったくもう。でも許すぅ〜。詩織ちゃんだから全然許すぅ〜。」

 

藤崎「あっ・・・!ねぇ、見て!」

 

たつや「え?」

 

リアルたつや「え?」

 

藤崎「雪・・・。」

 

たつや「本当だ・・・。」

 

リアルたつや「本当だ・・・。」

 

藤崎「素敵・・・。ホワイトクリスマスね・・・。」

 

 

リアルたつや「あーーーん!もう、ヤバーーーい!!キュンキュンしちゃーーう!クネクネーーー!ニヤニヤーーー!詩織ちゅわああああん!」

 

 

 

 

 

 

 

人間って、何事も経験だと思うんです。

『振り幅』なんて言葉がありますが、まさに私がイメージしているのがこれで。

振り幅の大きさこそが、人としての器の直径そのもの。

そこへ色んな経験を積むことにより、その器に深さが出てくるイメージ。

 

持っていて損する知識など一つも無いですし、無駄になる経験など一つも無いのです。

 

20年前、1998年の冬。

限りなく金髪に近い下品な茶髪で、偏差値一桁大学のテニサーでウェイウェイしていた私も。

夜中に真っ暗闇の中で、詩織ちゃんの声を聞いてクネクネニヤニヤしていた私も。

全てが今につながるのです。

 

ありがとう、サークルのみんな。
ありがとう、藤崎詩織ちゃん。

 

 

 

そんなときめきメモリアル、詩織ちゃんの告白シーン。

URLを置いとくので、興味があったらコピペして見て欲しいです。

イヤホン推奨。

萌え萌えキュンキュンクネクネニヤニヤして下さい。

https://youtu.be/QMRptZ2m8Uw