タクシー話

24歳で脱サラしてタクシー運転手になった話④ 副所長のお話!の巻

どうも。
元タクシー運転手ブロガー、こぼりたつやです。

 

今回の第4話で入社編は終わりです。
やっぱりお客さんを乗せる実践編こそがメインですからね。研修編はまた後ほど。

 

【前回までのあらすじ】
初出社の日にも関わらず、ふてぶてしくも遅刻をかました私でしたが。軍隊さながらの怒号朝礼にビックリ仰天!

副所長の「社会の掃き溜めにようこそ」という不敵な笑みで入社式はスタートするのであります。

前回お読みで無い方はこちら→24歳で脱サラしてタクシー運転手になった話③ 入社式に出るぞ!の巻

 

 

脅しをかけて来る副所長。まるで意に介さない生意気な若造

 

「皆さん、社会の掃き溜めにようこそ」

 

副所長の発した一言で、部屋中の緊張感がグッと高まったのを感じました。

 

てか、こんな始まり方あります?

 

カイジの世界ですよ、こんなもん。
黒服にサングラスのヤツが言う台詞。

福本伸行先生に「タクシー黙示録 タツヤ」みたいなの書いてもらえそうです。

 

その一言の後も、副所長の口から出るのはネガティブなものばかり。

 

「タクシー運転手は本当に社会的地位が低く、社会の底辺や雲助などと呼ばれてる」

「常に危険と隣り合わせである」

「入社する人も多いけど、退職する人はそれ以上に多い。とにかく入れ替わりが激しい業界」
(この頃は毎週木曜日が入社式。常に10人前後の入社があった)

 

とにかく出る言葉すべてが後ろ向き。

 

恐らく、入社して来る人には最初に必ず”カマしていた”と思われますが。

 

でもね。
こっちだってね。

 

たった入社1年で、超絶大掛かりなコネ入社を捨てて。さらには母親に泣かれてまでタクシー会社に就職してるんですから。

「そんなもんでビビるわけねーだろ!バーカ!」くらいに思って聞いてました。

別にこの頃からメンタルが強かったとかそういうわけではないのですが。

とにかく「前の会社をやめられた!」「自分が決めたことをやれる!」という喜びが圧倒的に勝っていたので。

 

そんな脅しは屁でもない。

 

だから底辺だろうが雲助だろうが何でもいいんです。この頃は結婚なんか1ミリたりともする気が無かったですので、女性にモテる必要もない。性欲なんか金でどうにでもなるってことも知っていたし。

なので「ヤベえとこ来ちまったなぁ」なんて思うことが一つもないのです。

へーきへーき。

 

 

しかし若造、副所長の何気ない一言で完全にたじろぐ!

ただ、そんな副所長の話にも。
一つだけ「ん!?」となる言葉があったのです。

 

それは。

 

 

「一度踏み入れたら、抜け出せない世界」

 

 

この言葉は刺さりましたね。
言っても24歳。

全然自慢出来る学校ではないものの、親に大学まで行かせてもらった。

果たして大卒の24歳が、そう易々と足を踏み入れてもいい世界なのかどうか。

 

「抜け出せない??あれ?大丈夫なのかな?オレの人生、この先一体どうなるんだろう?」

 

今まで見て見ぬ振りをしていた「不安な気持ち」に、襲われそうになりましたが。

 

副所長を見て、その気持ちは吹き飛びました。

 

 

副所長は、私に向かって言ってたのです。

 

 

なめんなよ!オレはやるって言ったらやってやるんだーい!

明らかに向けられているその眼差しは、

 

「若いあんちゃん、ホントにいいのか?やってけんのか?おおう!?」

 

という挑発の光を帯びているようでした。

 

そうなるとね。
こっちだって、

 

 

「上等だよ」

 

 

と、言わんばかりに。

ニヤリと憎らしげな笑みを浮かべるしかないのです。

 

生意気ですね。

過去の記録を読んで「なんなの?お前?」と。
猛烈に恥ずかしくなりましたよ。
こいつを殴りたい。

 

でも。

そんなノリが好きだったのか、どうなのか。
副所長もニヤリと微笑んで、小さく頷いたのです。

 

 

気持ち悪い。

 

 

そこにあるのは楽しい未来!?「皆さん一人一人が社長です!」

すると、そこからの副所長。
人が変わったかのように楽しそうに話し始めたのですね。

 

「車に乗って営業所を飛び出せば、皆さん一人一人が社長です!」

 

「早朝から明け方まで一日中働くけど。終電まで働くサラリーマンより、3〜4時間ガマンすれば次の日は休みですから」

 

「ノルマにうるさくない会社だから、稼ぎたければ稼いで。サボりたければサボる。それは皆さんの自由なので好きに仕事して」

 

「この仕事、ハッキリ言って楽しいですよ」

 

などなど。

 

どれも自由を求めていた私にとっては、明るい未来を指し示すような話ばかりだったのです。

そして何よりも嬉しかったのが。

 

副所長も、タクシーを始めたのは24歳だったということ。

 

これは本当に嬉しくもあり、心強くもあり。

「よし!やっぱりやっていける!」と、自信が確信に変わった瞬間でした。

 

 

2ヶ月後。

 

1人でタクシーを運転している私。

 

 

「あれは、、もしかして?」

 

どう見ても、左前方に立っているご婦人。
私に向かって手を挙げているとしか思えない。

 

ついにこの時が来た。
初めてのお客さん。

 

一発深呼吸をして、ハザードを出し、スムーズに車を路肩に寄せる。

 

「よしっ」

 

気合いを入れて、ドアを開いて、
いよいよ初めての接客!!

 

 

 

 

というわけで、24歳で脱サラしてタクシー運転手になった話。
本日はここまで。

ここから研修編に突入したいところですけど、続きものばかりでも読みづらいですからね。それはまた今度。

 

これからのエピソードは1本読み切り。

次回>>>24歳で脱サラしてタクシー運転手になった話⑤ 雪の日営業!の巻

 

またお会いしましょう!

それではでは、こぼりたつやでした。