3000文字チャレンジ

3000文字チャレンジ第13弾『綺麗な薔薇にはトゲがあるし、迷宮組曲には井戸がある』

綺麗な薔薇にはトゲがある

私は自分でも驚くほど草花に対して無知というか、興味が無いので。
実際のバラを触ったことがあるのかどうかも怪しい。

ましてやトゲを触って「痛っ!」みたいな経験など、全くもって皆無。

自信を持って判別できる花と言えば『桜』くらいである私なので、それは致し方ないこと。

しかしこの言葉は実際のバラではなく、主に女性に向けて使われることが多いということは分かる。

 

これを聞いて真っ先に浮かぶのが、アニメ『ルパン三世』に出てくる峰不二子。
トゲどころか猛毒レベルまでに危険な不二子は、幾度となくルパン一味を陥れる。

次元大介や石川五ェ門はさすがにその危うさに気がついており、「不二子を信用するな」とルパンに忠告しているのだが。
我らがリーダー、ルパン三世は全くもって学ばない。

とことんまで峰不二子に翻弄されては痛い目に遭い続ける。

これがクソガキの頃はどうしても納得出来なかったのだが、年齢を重ねて見返してみると「トゲもろとも愛してやろう」という心意気すら感じられ、どういうわけか微笑ましい。

30年前とはまた違った感情を抱きながら、不二子に騙されているルパンを眺めている自分がいるのである。

 

迷宮組曲には井戸がある

1986年、1本のファミコン用ソフトが発売された。

それは『迷宮組曲』という名のゲーム。

とてもファンシーなパッケージデザインと可愛い黄色のカセットが印象的。

それもあってか、ファミコンとしては貴重な『女子も遊んでたソフト』という位置付けにあるゲームなのだが。

ゲーム本編は、なかなかの骨太。

しっかりと作り込まれた内容と高い難易度で、今でもレトロゲームファンの間では高い評価を受けているほどの名作。
懐かしい話を肴に飲む酒の場でも話題に上がることは少なくない。

 

そんな迷宮組曲には『井戸』というステージがある。

ゲームを進めていくと手に入るランプがあれば攻略可能なのだが、それが無いとノーチャンス。
井戸というだけあって中に入ると真っ暗で何も見えず、しかも敵がうようよ。

そして強い。

 

【井戸=ゲームオーバー】

 

こんな図式が当時のファミっ子たちの頭には当たり前のようにインプットされていたため、ゲーム序盤は近づかないというのがセオリーだった。

 

しかし、私は踏み込む。

敵にやられると分かっていても立ち入る。
そしてやっぱりゲームオーバー。
それでも満足している自分がいる。

それを見て呆れる友人たち。

まるで峰不二子に翻弄され続けるルパンを見ている次元や五ェ門のように。

 

新垣結衣に怖い兄

初めて新垣結衣を見たのはポッキーのCMだった。

この衝撃度と言えば歴代最高クラスで、すぐさま周りの連中と「ヤバい子が出てきたな!」みたいな話で盛り上がってことを覚えている。

そんなポッキーのCMから10年以上経つが、どうやらガッキーは未婚らしい。

 

ここで男性諸君には想像してもらいたいのは。
あなたは今、ガッキーとかなりいい感じであるということ。

2人で出かけることも増えたし、ここ最近は毎晩のように電話もしている。

これは告ればいけるな。
とは言え、もし断られてこの関係が壊れるのも嫌だな。
でも絶対いけるはず。

という恋愛幸せゲージがMAXまで貯まった状態にあると思ってもらって構わない。

 

「よし、今日2人で会った時に告白しよう!」

 

強い思いを胸に抱いて迎えたデートの日。

ガッキーの横には何やら怖そうな男の姿が。

 

「兄です。どうしても会わせろって聞かなくて」

 

その恐怖度、まさにSSR級。
怖い人10連ガチャでも滅多に出ないくらい超ド級の怖さ。

顔、装飾品、仕草、スキンヘッド、頬の傷、左目の眼帯、巻いたサラシ、背中の般若、右手にピストル、左手に日本刀。

初対面なのに超至近距離。
そしてどこからどう見ても、臨戦態勢に入ってる。

「ガッキーと付き合うためには、この人と一戦交えないといけないのか。。。」

 

それでも貴方はガッキーと結ばれますか?

痛い目にあうと分かっていながら峰不二子に行くルパンのように。
ゲームオーバーになると分かっていながら井戸に向かう私のように。

 

 

好きなケーキに謎の足

大好きなケーキをいただいた。

初めて食べた時の衝撃が忘れられずにいたが、販売店舗は自宅から遠い。
かと言って、その店舗の方へ行く用事もない。
「久しぶりに食べたいなぁ」と、想いを馳せる日々。

そんな時にいただいたケーキ。
もちろん瞬間的に、嬉しさゲージはMAXまで高まる

ケーキの周りに付いてる透明のフィルムを外して、いよいよいただきまーす!!

 

って、あれ?

 

横からなんか出てる!!

 

ちょっと!これって、、、足??

なんか黒い足みたいなのが出てる。
関節あるし。

え!やだ!怖い怖い!!
せっかくのケーキなのに!!
どうしよう!?

 

 

それでも貴女はケーキを食べますか?

痛い目にあうと分かっていながら峰不二子に行くルパンのように。
ゲームオーバーになると分かっていながら井戸に向かう私のように。

 

 

大野くんの代わりに嵐

ある日、最寄りの駅を歩いていたら突然男性に声をかけられた。

 

「ユー!喫茶店、入っちゃいなよ!」

 

よくわからない言葉を操る謎の老紳士と、喫茶店でお茶をすることに。

 

誰だろ??

 

なんとなく頼んだアイスコーヒーを飲んでいると、突然老紳士にこう言われた。

 

「ユー!嵐、入っちゃいなよ!」

 

嵐!?
嵐ってあの??

 

「ユー!大野くんの代わり、やっちゃいなよ!」

 

おれ!?
おれが大野くんの代わりなの?

 

これ、もし決めたらスターじゃん。
明日のスポーツ新聞の一面、俺じゃん。
マジかー。
人生って、案外簡単に変わるもんだなぁ。

 

でも待てよ。

 

俺、踊れないし歌えない。
見た目に関しては下の中の下くらい。

 

あと、そうだ。

 

ジャニーズファンって確か怖いんだよな。

 

突然おれが「どうも。今日から嵐のメンバーになりました、こぼりたつやです」とか言い出したらめちゃくちゃに叩かれるに決まってる。

止まらない誹謗中傷。
投げつけられ続ける石ころ。

 

 

それでも貴方は嵐に入りますか?

痛い目にあうと分かっていながら峰不二子に行くルパンのように。
ゲームオーバーになると分かっていながら井戸に向かう私のように。

 

 

『おたのしみ』入り自販機

実家のそばの自販機に『おたのしみ』という項目があった。

基本はコカコーラの自販機なのだが、一箇所だけ手書きの汚い紙が貼られている。

要は「何が出るかお楽しみ」という触れ込みの在庫処分だ。

 

ある日友人に「これやってみなよ」と勧めてみたら、拍子抜けするほどすんなりOK。

 

で、いざやってみたら。

 

 

キンキンに冷えた、おしるこ!!

 

 

いやいや酷すぎる。
まさかここまで容赦が無いとは思わなかった。
ひとしきり爆笑してから、友人はそれを一気に飲み干していた。

 

そこで考える。

 

この『おたのしみ』の当たりってなんだろう?と。

 

普通のジュースが出てきたら、それは別に普通なわけで。

当たりでもなんでもない。

 

 

それじゃあ、、、

 

 

 

100万円??

 

もし空き缶に100万円が詰められているものが入っていたとするならば。

それは当然チャレンジするわけで。

そのハズレとしての代償がキンキンに冷えたおしるこでも全然OK。

100万円のリスクとしては小さなものだ。
いや、小さいどころか成り立たない。

 

最高形が100万円で、最低形が冷えたおしるこ。

 

カイジの兵藤会長もお怒りになられるに決まってる。

 

ぬるい……!

ぬる過ぎる……!

 

あり得るはずがない……!

こんな楽な博打……!

 

もっと……!
もっとだ……!

 

考えぬわけにはいかぬ……!

金に目が眩む亡者をドン底まで叩き落とすほどのリスク……!

 

 

 

灯油……!?

 

 

おお!灯油!

まさに悪魔的発想!

 

100万円入りの缶を1本。
冷えたおしるこ入りの缶を98本。
灯油入りの缶を1本。

計100本。

 

100万円を手にするか。
それとも灯油を飲み干すか。
どちらも確率的には、100分の1。

 

ククク……!

おもしろい……!

 

 

さあ、貴方はこの自販機を押しますか?

痛い目にあうと分かっていながら峰不二子に行くルパンのように。
ゲームオーバーになると分かっていながら井戸に向かう私のように。

 

 

最後に

ちなみに私が迷宮組曲で井戸に入る理由は、そのステージで流れるBGMが物凄く大好きだから。

暗闇の中、もがき、苦しみ、敵に襲われながらも。
何とも筆舌し難い隠微な雰囲気を醸し出すBGMを聞いて悦に入る。

そして主人公のミロンはその間、ただ死を待つのみ。
それも本望。
これほどまでに甘美な死を私は知らない。

甘き死よ、来たれ。

 

ちなみにそんな私でも。
足の出ているケーキは食べないし、嵐にも入らないし、灯油入り自販機なんか絶対押さない。

 

でもガッキーのお兄さんだけは、ちょっと考えさせて欲しい。